秋の夕暮れ。
すっかり日が短くなりました。
夕方、陽が落ちてからの南西の低い空には、まさに剣のような三日月と宵の明星(金星でしょうか?)が、オレンジから闇色のグラディションの中に威風堂々と絵のようで、見惚れました。
それから帰り道に、ちょっといつもと違う裏道を原付で細い路地に入っていきました。
駐車場と工場、その向うに数件の民家が固まっているだけなので、結構薄暗い通りです。
道行く人は誰も居ないし、ましてや人の気配も全く無く、たまに使うほんの50mにも満たない気楽な道ですが、夜になると寂しいのだと初めて知りました。
冷たい秋の空気の中に何かの香りが混ざりました。
これは……お香?
お香、だよね。
……って,お線香だよっ!
薄暮に沈んで視界には入ってこなかったけれども、その道はお墓に面していた道でした。
ちらっと横を見やると、幾つかの墓標が黒い輪郭を描いていました。
終わりゆく秋の夕暮れは寒いです。
でも『本怖(ほんこわ、”本当にあった怖い話”の略)倶楽部の吾郎さん、タスケテェ〜!』
とかいうオチはありません。
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